東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

東北大学病院臨床研究推進センターは、医学系の研究開発をサポートするとともに、基礎研究の成果を臨床の場に実用化する橋渡しをいたします。

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臨床研究法における安全性情報の取扱いについて

過去に発生した臨床研究における不適正事案を踏まえ、2017年4月より臨床研究法が成立(2018年4月より施行)しました。
臨床研究法では、医薬品医療機器等法における未承認・適応外の医薬品等を用いた臨床研究や製薬企業等からの資金提供を受けて実施される医薬品等を用いた臨床研究を「特定臨床研究」として規定し、その法律の対象としています。(特定臨床研究の該当性については、“特定臨床研究の該当性判断フロー”及び”判定結果に基づく、安全性情報の取扱い”)をご参照ください。)

臨床研究法では、研究を実施する前、実施中、終了後の各過程で行う手続き等が、それまでの倫理指針でのものと大きく変わりましたが、安全性情報の取扱いについても大きく変わりました。

個別報告

進捗状況報告

臨床研究法でも、倫理指針でいう「進捗状況報告」に該当する報告を、定期的に報告しなければならないことが規定されています。

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個別報告

重篤な有害事象報告

倫理指針では、重篤な有害事象/不具合が発生した場合、当該研究との因果関係の有無に関係なく、情報を知り得てから速やかに、研究責任者が研究機関の長に報告を行い、報告を受けた研究機関の長からの依頼により、倫理審査委員会が審査を行います。また報告内容が、「予測できない」かつ「因果関係が否定できない」かつ「重篤」な有害事象/不具合であった場合、研究機関の長が国に報告を行います。

医学系倫理指針下の臨床研究

医学系倫理指針下の臨床研究における重篤な有害事象/不具合報告の全体像については、こちらをご参照ください。

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疾病等報告

一方、臨床研究法では、重篤な疾病(臨床研究法では、「疾病」という呼び方をします)が発生した場合、「疾病等報告」として、研究責任医師が実施医療機関の長への報告を行いますが、認定臨床研究審査委員会への報告は、研究責任医師(多施設共同研究の場合は、研究代表医師)が行わなければなりません。また報告の対象となるのは、「当該研究の実施によるものと疑われるもの」のみとされています。「疾病等報告」の報告期限は、情報を知り得てから、特定臨床研究の区分並びに発生した疾病の種類毎に規定された期日(7日/15日/30日)以内です。
特定臨床研究で発生した疾病のうち、未承認・適応外の特定臨床研究で発生した、「未知」のものについては、研究責任医師(多施設共同研究の場合は、研究代表医師)が、同期日以内に国へ報告しなければなりません。

医学系倫理指針下の臨床研究

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医学系倫理指針下の臨床研究

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不具合報告

医療機器、再生医療等製品を用いた特定臨床研究では、当該医療機器または再生医療等製品に不具合が発生し、その不具合が、「死亡以下の重篤な状態」を発生させるおそれがある場合、研究責任医師は実施医療機関の長への報告を行いますが、認定臨床研究審査委員会への報告も、疾病等報告と同様、研究責任医師(多施設共同研究の場合は、研究代表医師)が行わなければなりません。不具合報告の報国期限は、情報を知り得てから30日以内です。(不具合報告のみの場合は、国への報告は不要です。)
なお、実際にその不具合により「死亡以下の重篤な状態」が発生した場合は、「疾病等報告」のルールに則って対応が必要となります。

医療機器、再生医療等製品の特定臨床研究

臨床研究法下の特定臨床研究における重篤な疾病等/不具合報告の全体像については、こちらをご参照ください。
実際に重篤な疾患等を行われる場合は、こちら(疾病等報告の手続き)にアクセスの上、ご対応ください。

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進捗状況報告

臨床研究法でも、倫理指針でいう「進捗状況報告」に該当する報告を、定期的に報告しなければならないことが規定されています。

定期報告

特定臨床研究の実施状況・疾病等の発生状況について、①実施医療機関の管理者に報告の上、実施計画書を厚生労働大臣に提出した日から1年毎(当該研究期間満了二月以内)に②認定臨床研究審査委員会に報告すること、認定研究審査委員会が意見を述べた日から起算して一月以内に③厚生労働大臣へ報告することが、研究責任医師(多施設共同研究の場合は、研究代表医師)に義務付けられています(施行規則第59条第1項二号、同第3項および施行規制第54条第1項五号)。
(例:2018年6月から研究を開始した場合は、2019年の8月までに2018/6~2019/5月の報告を行う。)
なお、疾病等の発生状況については、認定臨床研究審査委員会に疾病等報告を行ったものについて、その後の経過についての報告を求められています。

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定期報告・定期疾病等報告_未承認・適応外の特定臨床研究

定期報告・定期疾病等報告_未承認・適応外の研究以外の特定臨床研究(企業資金による承認範囲内の研究)

臨床研究法下の特定臨床研究における定期報告の全体像については、こちらをご参照ください。
実際に定期報告を行われる場合は、こちら(定期報告の手続)にアクセスの上、ご対応ください。

以上、臨床研究法では、倫理指針よりも安全性情報の取扱いがより煩雑になっています。
従って、これから特定臨床研究を実施することをご検討中の研究者の方、また、倫理指針下で承認を受けた臨床研究で、特定臨床研究に該当し、2019年4月以降も継続される研究(いわゆる「掛け替え審査対象」の研究)を実施中の研究者の方は、法を遵守して、当該研究を実施できるよう十二分に気をつけてください。
なお、倫理指針と臨床研究法での安全性情報の取扱いの違い(PDF)について一覧、並びに特定臨床研究における安全性情報の報告対象の判断に関するフロー(疾病等報告判断(PDF)不具合報告判断(PDF))もご参照ください。

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